3月下旬から、母のトイレがうまくいかなくなった。
フラフラしながら、それでもトイレに行こうとはする。
でも、リハビリパンツが下ろせない。
やっと下ろせても、今度は上げられない。
間に合わない。
そのままリビングに戻り、座り込み、
周囲を汚してしまう。
それが一度ではなく、何度も繰り返されるようになった。
デイサービスでは、ちゃんと見てくれる人がいる。
だから、安心できる。
でも、訪問介護や訪問医療はほんの数時間だけ。
その時間では、とても追いつかない。
仕事から帰ると、玄関を開けた瞬間にわかる。
――まただ。
鼻をつく臭い。
胸の奥がギュッと苦しくなる。
そこから掃除。
ただひたすら、何も考えないようにして掃除をする。
そんな日が続いた。
3月30日、受診日。
本当は採尿してくるように言われていた。
でも、そんな状態じゃない。
リハビリパンツに、少しずつポタポタと出ている。
集めるなんて無理だった。
病院でも、結局尿は膀胱に溜まっておらず、
検査はできなかった。
血液検査の結果だけが残った。
白血球が異常に高い。
「これは、がんによるものだと思います」
そう言われた。
抗生剤が出て、
次の受診は6月。
――6月まで、この状態でいけるのか。
――そもそも、来られるのか。
何もはっきりしないまま、
ただ時間だけが先に進んでいく。
虚しい、という言葉しか出てこなかった。
ケアマネさんに相談して、
デイサービスを週3回に増やしてもらった。
なんとか、これで回るかもしれない。
そう思った矢先だった。
4月に入ってから、
母はリビングで横になる時間が増えた。
起きている時間より、
横になっている時間のほうが長くなっていく。
少しずつ、確実に、
これまでの日常が崩れていくのを感じている。


コメント