介護日記27 崩れゆく日常

介護日記
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3月下旬から、母のトイレがうまくいかなくなった。

フラフラしながら、それでもトイレに行こうとはする。

でも、リハビリパンツが下ろせない。

やっと下ろせても、今度は上げられない。

間に合わない。

そのままリビングに戻り、座り込み、

周囲を汚してしまう。

それが一度ではなく、何度も繰り返されるようになった。

デイサービスでは、ちゃんと見てくれる人がいる。

だから、安心できる。

でも、訪問介護や訪問医療はほんの数時間だけ。

その時間では、とても追いつかない。

仕事から帰ると、玄関を開けた瞬間にわかる。

――まただ。

鼻をつく臭い。

胸の奥がギュッと苦しくなる。

そこから掃除。

ただひたすら、何も考えないようにして掃除をする。

そんな日が続いた。

3月30日、受診日。

本当は採尿してくるように言われていた。

でも、そんな状態じゃない。

リハビリパンツに、少しずつポタポタと出ている。

集めるなんて無理だった。

病院でも、結局尿は膀胱に溜まっておらず、

検査はできなかった。

血液検査の結果だけが残った。

白血球が異常に高い。

「これは、がんによるものだと思います」

そう言われた。

抗生剤が出て、

次の受診は6月。

――6月まで、この状態でいけるのか。

――そもそも、来られるのか。

何もはっきりしないまま、

ただ時間だけが先に進んでいく。

虚しい、という言葉しか出てこなかった。

ケアマネさんに相談して、

デイサービスを週3回に増やしてもらった。

なんとか、これで回るかもしれない。

そう思った矢先だった。

4月に入ってから、

母はリビングで横になる時間が増えた。

起きている時間より、

横になっている時間のほうが長くなっていく。

少しずつ、確実に、

これまでの日常が崩れていくのを感じている。

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