介護日記29 あまり座れなくなった母とこぼれてしまう言葉

介護日記
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2026年4月10日

母をソファまで連れて行っても、そこでちゃんと座ることができない。

体を支えきれず、そのまま崩れるように眠ってしまうことが増えてきた。

もう、ベッドにそのまま寝かせておいた方がいいのか、迷う。

トイレに行く体力も、もう残っていないのだと思う。

なぜか母は、ソファとテーブルの狭い隙間に入り込み、地べたに座り込む。

でも、それも「座っている」というより、体を支えきれずに落ちているような姿だ。

そうなると、起き上がらせるのに30分以上かかる。

仕事で疲れきって帰ってきて、やっとの思いで母をベッドに寝かせようとする時、どうしてもイライラしてしまう。

本人はベッドに行きたいはずなのに、その前にリハビリパンツを交換しないといけない。

地べたからソファへ移すだけでも一苦労。

母はもう立とうとしない。立てないのだと思う。

「ちゃんと立って」

「少しでいいから協力して」

思わず、きつい言葉が出てしまう。

「私は仕事しながら、お母さんのことも見てるんだよ」

言ったあとで、胸が締めつけられる。

トイレに自分から行かなくなったことで、部屋を汚すことはなくなった。

でもその代わりに、立ち上がる力は確実に落ちている。

リハビリパンツをはかせることすら、簡単ではなくなってきた。

訪問診療は月に2回。

私がいない時間に来て、滞在はわずか数分。

血圧を測り、聴診器をあてて、すぐに帰る。

連絡帳には「お変わりありませんでした」とだけ書かれている。

便秘や乾燥のことも、こちらから言わないと何も提案はない。

紹介された病院だけど、正直、信頼はできていない。

電話対応も冷たく、相談する気持ちが折れてしまう。

医師も「年だから仕方ない」としか言わない。

本当は主治医を変えたい。

でも、緩和ケア入院のことを考えると、今は動けない。

そう思って、我慢している。

正しいのかどうか、わからない。

ただ、今日もまた、少し心がすり減った。

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