介護日記14 母入院

介護日記
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今日、母が入院した。

固形物が食べられず、ここ数日は栄養補助ドリンクのみ。
立つことすらきついらしく、昨晩の入浴は、もう一人では無理なのではないかと思うほど体力が落ちていた。

本人は相変わらず、入院することも手術することもどこか他人事で、何度説明しても「そうなんだ」という顔をする。

車で入院患者用の駐車場に着くと、まさかの満車。
どうしようかと焦ったが、ちょうど退院するらしい車が出て、奇跡的に一台空いた。
よかった。フラフラの母を歩かせるのは無理だった。

すぐに車椅子を借りて、入院手続きをする。
手続き自体はスムーズだったが、病棟に着くと「まだベッドの準備ができていない」と言われ、一時間近く待つことになった。
母は車椅子に座ったまま、うつらうつらしている。

その間に、テレビカードや手術着のレンタル手続きへ行く。
戻ってくると、母の姿がない。

あれ?と思い、ナースステーションへ行くが、ほとんど人がいない。
不安になっていると、遠くから看護師が駆け寄ってきて、「〇〇さんですね。〇〇号室になります」とだけ伝えられた。
案内はなかった。

部屋番号を頼りに病室へ行くと、母は車椅子から降り、ひとりでベッドに座っていた。
そこからも、担当看護師はなかなか来ない。

隣のベッドの方も同じく新規入院らしいが、そちらにはベテランの看護師がつき、いろいろと丁寧に対応している。
ようやく若い看護師が来たが、特に説明も案内もなく、不安だけが募った。

「これで終わり」という雰囲気になったところで、ふと気づく。
明日の手術の時間を、何も聞いていない。

こちらから尋ねると、
「二つ目の手術で、午後ですね。最初の手術が終わり次第です。14時くらいに来てくれればよいと思います」
と、かなり曖昧な答えが返ってきた。

年休をできるだけ節約したい私としては、
それがわかっているなら、午後休でよかったのに——
そんな思いが、じわっと湧いてきた。
本日の担当は〇〇です、と名乗っていたので、
看護師も明日になればまた変わるのだろう。
それ以上、何かを期待するのはやめておこうと思った。

昼食が出たが、母は「いらない」と全く手をつけない。
大丈夫なのだろうか。

せめてと思い、栄養補助ドリンクだけは一本飲ませた。
家から持ってきたドリンクもベッドサイドに置き、
なるべく飲むよう声をかけたが、
たぶん勧めなければ自分からは飲まない。

もう帰っていい、そんな雰囲気ではあったが、
しばらくして麻酔科の医師がやってきた。

私が帰ったあと、
母の「大丈夫」という言葉だけを鵜呑みにされるのではないか。
そう思うと、正直怖くなった。

母は、気分が悪くても「大丈夫」と言う。
だから私は、麻酔医にも看護師にも伝えた。
本人は大丈夫でなくても大丈夫と言ってしまうので、
表情や様子から判断してほしい、と。

前回の説明では局所麻酔の予定だったが、
腰から注射をするため、
一定の姿勢が取れない場合は全身麻酔に切り替えるとのことだった。
腰を曲げる動作ができなければ難しいらしい。

今の母の状態を見ていると、
おそらく全身麻酔になるだろう。
そんな予感がした。

途中、母がトイレに行きたいと言ってきた。
とりあえず私が付き添ったが、これはもう一人では絶対に無理だ。
介助がなければ、頭をぶつけて転びそうで、とても危ない。

その様子に気づいた年配の看護師が来て、
「一人では危険ですね」と声をかけてくれた。

ナースコールを使うようにと言われたが、
たぶん母のことだ。一人で行ってしまうだろう。
それが容易に想像できて、胸がざわつく。

ベッドから離れると音が鳴る器具をつけてもらうことになった。
でも、本当に鳴ったら来てくれるのだろうか。
不安は消えない。

要介護ではない母は、
こんなにも体力が落ちていても、
それほど手をかけてもらえないのだろうか。

隣のベッドの患者さんは要介護2だというが、
母よりずっと元気そうで、
ベテランの看護師がつき、よく話し、食事もがつがつ食べていた。
その光景を見て、なんとも言えない気持ちになる。

母は「もう帰っていいよ」と、私に言う。
私は後ろ髪を引かれる思いで病室を出た。
正直、私がそこにいればいるほど、
不安や不満が募って、文句ばかり出てしまいそうだった。

今、自宅に戻り、こうして一人でブログを書いている。
静かな部屋で、
これからどうなるのだろう、と考え始めると、
いてもたってもいられなくなる。

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