介護日記19 母退院 介護チームプロジェクト開始

介護日記
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2月11日。母、退院。

私はバスで病院へ向かった。
病室に着くと、母はすでに着替えを済ませ、普段着のまま横になっていた。

私の顔を見るなり、「来てくれた!」と小さくつぶやく。
ここ2日、仕事で面会時間に間に合わなかったからだ。

ただ、声の出し方が今までと違う。
どことなく舌がもたつき、言葉がうまく出てこない。
ジェスチャーで伝えようとする姿に、胸がざわつく。

荷物をまとめ、看護師さんに精算方法を教えてもらう。
今日は祝日なので時間外窓口での支払い。
想定外の金額で現金が足りず、カードで精算した。

本当に、この病院は自分から聞かないと手続きや時間を教えてくれない。
いつもギリギリだ。

10時半、ケアマネさんが手配してくれた介護タクシーが到着。
最大の難関は、玄関までの階段だった。

この体力で登れるのか。
正直、不安だった。

けれど、介助があればなんとか登れた。
それだけで、少しほっとする。

それでも足元はふらふらで、
これからの生活への不安が頭をよぎる。

午後からは、訪問介護とデイサービスの契約。
介護認定面接が延期になるため、認定前までの“つなぎ”を整えてもらうことになった。

13時半。
介護スタッフ2名、ケアマネさん、デイサービス担当者。
さらに在宅医療の担当者も合流し、総勢6名。

一気に家の空気が変わった。

ベッド、リビング、トイレまでの動線を確認。
母はぐったりしていて、トイレから一人で立ち上がることができない。

トイレに支え棒がないことが判明。
ケアマネさんがすぐ福祉用具業者へ電話をし、
なんと1時間後に取り付けに来てくれるという。

本当に助かる。

父の時に使っていた10年以上前の介護ベッドも、
高さや柵の位置を調整してくれた。

その場でケアマネ会議が開かれ、
母が自宅で安心して暮らせるようにするプロジェクトが静かに始まった。

今まで、何度も一人で心細い思いをしてきた。
でも今日は、少しだけその重さが軽くなった気がした。

相変わらず、母は栄養補助ドリンクしか飲まない。
ストーブで焼いた焼き芋を見せると、「おいしそう」と目を輝かせた。

けれど一口食べて、手を振る。
「もういらない」という合図だ。

仕方なく、また栄養ドリンクに戻る。

それでも今日は、家に帰ってきた日。

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