介護日記31 自宅での介護が最後かもしれない

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ベッドからソファへ移動することを嫌がるようになった。
というより、もう動けない様子だった。

前日の月曜日、なんとかデイケアに行き、ミキサー食を完食したと連絡帳に書いてあった。
それを見たときは本当に嬉しくて、
「人前に出るとシャキッとするんだな、ただ疲れていただけなんだ」
と少し安心した。

でも、その希望は長くは続かなかった。

この日は、立ち上がることもできない。
熱も脈も酸素も問題ないのに、ただ動けない。

午前中はどうしても外せない打ち合わせがあり、午後から帰宅することにした。
心配だったので、訪問看護に来てもらい様子を見てもらう。

仕事中に連絡が入り、
「熱・脈・酸素濃度ともに問題なし。起き上がれない以外は変わりありません」
とのこと。
訪問診療の医師にも報告してくれるという。

先週の定期往診では、母がひざ掛けを落として寒そうにしていたのに、
何も対応されず「異常なし」とだけ記録され、滞在時間はわずか5分。
正直、不信感しか残っていない。

最近の様子は明らかに違う。
不安になり、直接クリニックへ電話した。

すると、
「心配なら行きますが?」
という、こちらが言うから行く、というような反応。
さらに「24時間の訪問看護が入っているから、まずはそちらで様子を見てもらっては」との言い方に、
どこか突き放されたような気持ちになった。

だから、私はあたたかく関わってくれる訪問看護に連絡を取った。

その後、訪問看護からの連絡を受けたのか、クリニックも動き、
火曜日担当の医師が臨時で往診に来てくれることになった。

この先生は、往診後に必ず電話で状態や薬の説明をしてくれる方で、
数少ない信頼できる存在だ。

水曜日のデイケアは休みかな、と思いながら連絡すると、
「往診が終われば迎えに行っても大丈夫ですよ」とのこと。

もう寝てばかりですが、というといつも寝てるのを起こしていくので大丈夫ですよと

せっかくミキサー食が食べられるようになったのに――

デイに行けば、少し元気に過ごせるのではないか。
そんな希望も、まだ捨てきれない。

デイサービスの方も、
食事介助で何とか食べさせてくれたり、
「座ってですが体操もしていますよ」と教えてくれる。

それを聞くと、
まだ元気に過ごせる時間が残っているのではないかと、
一筋の希望を感じてしまう。

夕方、ガタンと音がした。

見ると、母が自分で立ち上がり、リビングへ行こうとしていた。

「トイレ」

そう言うので手を引いて連れていくと、たくさんの便が出た。
ああ、気持ち悪かったんだ、と納得する。

リハビリパンツを取りに行っている間に、また立ち上がろうとして、
床も汚れてしまった。

いつもなら慌てて、少し怒りながら処理してしまう場面。
でもこの時は違った。

「まだ歩けるんだ」

その嬉しさの方が、ずっと大きかった。

明日は、往診の後デイケアに行ければ、まだ大丈夫だ。神様まだ時間をくださいと祈るしかなかった

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