介護日記40 静かな時間の中で、つながるご縁

介護日記
介護日記

4月23日

母が入院して一週間が経った。

最近の母は、ほとんど食事もとらず、眠っている時間が増えた。
時々目を開けるけれど、どこを見ているのかわからない。

手や肩がビクッと動く。
緩和ケアの段階ではよくある「ミオクローヌス」というものらしい。
その動きも、少しずつ大きくなってきている。

手を握ると、少し和らぐ。
呼吸や脈拍は安定していて、本人も強い痛みはないようだが、
自分の体が急に揺れることに驚いている様子がある。

私を認識する時間も減ってきて、
口にする言葉は「冷たい」「痛い」など、短いものだけになった。

実は、ずっと壊れていたPCが今日修理から戻ってくるため、
午前中は自宅に戻ることにした。

朝7時半、身支度をしていると母と目が合う。
「今から家に帰るね、行ってくるね」と声をかけると、
わかったようにうなずいた。

手を振ると、母もゆっくりと振り返してくれた。

朝8時に自宅へ戻る。
卵とニラ、冷凍エビを解凍してオイスター炒めを作り、
冷凍ご飯と冷ややっこを添える。

久しぶりに、きちんとした食事をとった。

その時、LINEの通知が鳴る。

昨日会ったTちゃんからだった。
「Nちゃんとつながったよ」と。

Nちゃんは大学時代の友人で、同じサークルで一番仲が良かった子。
LINEもなかった時代、いつの間にか連絡が途絶えていた。

昨日のランチで
「Nちゃんの連絡先わかる?」と聞かれ、
「電話番号なら」と伝えると、その場でTちゃんが電話をかけた。

その積極さに少し驚いたけれど、
Nちゃんも懐かしがってくれて、
こうしてまたLINEでつながることができた。

まるで、学生時代に戻ったような感覚。

こんな時だからこそ、
つながるご縁もあるのかもしれない。
昨日のランチの中で、バオバブオイルの話が出た。

母は乾燥で背中を痒がることがあり、
今はワセリンを使っている。

「バオバブオイルも良さそうだね」と何気なく話すと、
「持ってくるよ」と、Tちゃんが仕事終わりに病院まで届けてくれた。

オイルだけでなく、
杏仁豆腐や、地元で人気の焼き鳥屋さんの焼き鳥まで。

ミニカップラーメンとおにぎりで済ませようと思っていた私の食事は、
一気に豪華になった。

さらに、もう一人。
大学時代の友人Sも、何気なくLINEをくれる。

特別な言葉じゃなくてもいい。
ただつながっている、その時間が、
今の私にはとてもありがたかった。

母の時間が静かに流れていく中で、
私のまわりには、あたたかいものが少しずつ集まってきている。





コメント