介護日記35 病室の異音が気になる

介護日記
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朝4時に目が覚める。
あの謎の「ジーっ」という音が気になって眠れない。
それでも、それまではうつらうつら寝ていたみたいだ。

昨日はお風呂にも入れず、夕食も食べそびれた。
自分の食糧を確保するため、6時半に一度自宅へ戻る。

この病院、売店は古くて夕方5時には閉まる。
レストランなんて洒落たものはもちろんないし、小さな食堂も午後2時で終了。
土日は食堂自体がないらしい。

家に戻って、お風呂に入り、洗濯をして、残り物で朝ごはん。
そのあとスーパーで食糧を調達。カップ麺、パン、スープ。とりあえず生き延びるための準備。

病室の母は、穏やかに眠り続けている。
目線はぼんやりしていて、頷くことはあるけど、もう言葉は出なくなった。

病院のスタッフが、オムツ交換や体位変換で定期的に来てくれる。
私はただ、横にいるだけ。

飲み物も取らなくなった。
思わず「飲まなくなってしまった」とつぶやくと、
「点滴をしているから大丈夫ですよ」と声をかけてくれる。

午後になって、あの「ジーっ」という音の正体がわかる。
床ずれ防止のエアマットだった。

機器の位置を変えたりしてみるけど、上に置いても音は消えない。
正直、この音の中にずっといるのはきつい。

今日はフラフラで、体力も限界。
いったん家に帰ろうかと考えていたところ、

「泊まり込みされるなら、エアマットを変えましょうか」

と声をかけていただき、別のものに交換してもらえた。
今度は機器の音がしないタイプで、ぐっと静かになった。

病院に来て「床ずれ(褥瘡)」という言葉を何度も聞く。

ずっと寝たきりの人に起こるものだと思っていたけど、
高齢になると皮膚が弱くなり、少しの刺激でも傷ができ、
そこから感染症につながり、命に関わることもあるらしい。

スタッフの方が定期的に体位を変えてくれるのも、その予防のためだそうだ。

騒音もなくなり、私の病院2泊目が確定。

母はときどきモソモソと動き、
腕や肩がピクピクと動いたり、ベッドの柵を握る仕草を見せる。

表情も少し険しくなっていたので、
看護師さんにお願いして、緩和の点滴をレスキューで入れてもらった。

しばらくして、深い寝息が聞こえてきた。

何もしていないのに、ひどく疲れている。
夜9時にはそのまま眠ってしまった。

夜中、看護師さんが様子を見に来てくれるたびに目が覚める。
そのたびに「ごめんなさい」と思いながら、もう起き上がる気力もなく、そのまままた眠りに落ちた。

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